「やばい、俺…殺してもうた…」―Mo
いまだに「あの活動はヤバかった」と語り草になっている2006年ゴールデンウィークの手取川ラフト。その報告書はまるで『事故報告書』のようにシリアスな内容になっている。
そして、その活動中でも一際深刻な状況に置かれた瞬間に放たれた一言。

 白山の雪解け水で大増水した手取川。二艇のうちのUn(院生)、T2(4回生)、Ut(3回生)、Mo(2回生)の艇(以下Un艇)は下り始め早々2度のフリップを食らうも、クルーはイケイケムードを保っていた。
そこで、次に誰がラダーを担うか、となり手を挙げたのは当時完全に川を舐めきっていたMo だった。
当時Moは、「ラフトなんて要するに川の流れにのって流れればいいんだ」程度の認識しか持っていなかった節がある。当然、そうなってくると技術もクソもないのは言うまでもない。

 Moがラダーのポジションに座りすぐにアクシデントは起こった。
何でもないと思われたホールに突っ込んだ瞬間にUn艇のクルーが見たものはまるで谷底のようなV字の水面。スカウティングポイントからは全くノーマークだったそのホールに艇はいとも簡単にひっくり返されてしまい、四人はフリップリカバーもできずにバラバラに雪解け水の川を流されることになった。

結局、Un、T2はすぐに自力で岸に上がるも、MoとUtは数百メートルの距離を流されることになる。 しかも、川は瀬と瀞場の境もなく日本一の激流と言われる四国吉野川にもひけをとらないような流れで、 しかも水温は身を切るように冷たく、まさに氷水のようである。
ようやく先行艇にレスキューされた時には、二人ともかなりの数のホールに生身で突っ込んだ結果心身共に消耗しきっていた。

しかし、いくら待っても残りの二人のクルーが流されて来ることはない。

この水温で、これだけの水量。流れてこないということは、最悪の事態も…
そこでパニック状態気味だったMoの口をついて出たのがこの一言。
今でこそ爆笑エピソードとして語られているが、 その時のパニックぶりがよくわかる。

(文・Ut)


「先輩ってのは後輩ラダーで落とされるもんや」―不明
 2回生が新歓前にラフトトレで先輩を流してしまったときなどに先輩にかけられる言葉。
誰が最初かは定かではないが、何代かにわたって先輩から後輩に自然と受け継がれているようだ。

毎年、誰かが「来年俺も使おう」とか思ってしまっているあたり、ラフトをやる人間にとってこれはカッコいいセリフなのだろう。

(文・Se)


「無人島に行きたいなどというのは、飽食の時代に生きる日本人のおごりである」―Ty
『自給自足の生活・サバイバルに挑戦するぞ!』と意気揚々と姫路の沖合いの無人島―太島―に向かった探検部員。しかしメインディッシュであるはずの魚介類はほとんど捕獲できず、部員は弱る一方。持っていった調味料でわずかに腹を満たすものの体力も気力も尽き、強い日差しで熱中症になる部員まで現れる。
・・・このままでは命にかかわると離島の時間を早めることに。待ちに待った迎えの船に乗り本土へ上陸した。
そこに広がる『お金さえ払えばなんでも食べたい物が手に入る光景』を目の当たりにした時の格言。
2006年度MVKに選ばれたこの活動を印象付ける格言といえるだろう。

(原文・Ft;編集・Se)


「個装より団装!」―Ag
探検部ではみんなで使う装備(テントとかラフト)を“団装”、それぞれの持ち物(食料とか寝袋)を“個装”と呼びます。
2007年夏の和歌山サイクリングで、朝起きてからもせこせこと自分の持ち物(個装)を片付けるIwに対し、Agが言った言葉。
当たり前と言えば当たり前ですが、活動をスムーズに進めるために大切なことを端的に表した良い言葉です。

(文・Iw)